実は豚ではなくイノシシだった?
夏になると、蚊がうるさいですよね。 蚊を追い払うために、蚊取り線香を使うことがあります。 蚊取り線香は、煙を出して蚊を寄せ付けないようにするものです。 蚊取り線香を使うときに、一緒に使われることが多いのが、蚊遣り豚という器です。 蚊遣り豚は、豚の形をした土の器で、蚊取り線香の灰を受け止める役割をします。 でも、なぜ豚なのでしょうか?
蚊遣り白豚の由来には、いろいろな話があります。
ひとつは、昔の人たちが、イノシシを火の神様として大切にしていたからだという話です。 昔は、蚊取り線香の代わりに、草や木のかけらを燃やして煙を出していました。 でも、その火が広がってしまって、火事になることもありました。 そこで、火の神様であるイノシシに似せて、豚の形の器を作って、火を守ってもらおうとしたのです。
もうひとつは、愛知県の常滑というところで、豚を育てている人たちが、蚊に困っていたからだという話です。 その人たちは、土の管の中に蚊取り線香を入れて、煙を出していました。 そのうちに、土の管の口が小さくなって、煙が少しずつ出るようになりました。 それが、豚の鼻に見えたので、豚の形に作り変えたのです。 この豚の器が、おみやげとして人気になって、日本中に広まったと言われています。 |